ばにらんぶん

読んだまんがの感想を800字以内で書いています。

今、一番好きな作品『エリスの聖杯』(最新刊の感想も)

<『エリスの聖杯』は2021年3月3日現在、原作小説3巻(完結)・コミックス本日4巻が出ました>

『エリスの聖杯』(原作小説) 

著者: 常盤くじら

イラスト: 夕薙

出版社: SBクリエイティブ

レーベル: GAノベル

 

『エリスの聖杯』(コミックス版)

著者: 桃山ひなせ(原作:常盤くじら)

出版社: スクウェア エニックス

レーベル: ガンガンコミックス UP!

 

もとは「小説家になろう」で発表されたものが書籍化され、漫画化された作品です。

 

「誰が令嬢を殺したのかーーー」

原作小説の帯に書かれている衝撃的なアオリ。

 

わたしがこの作品に出会ったのはコミックス版でした。

絵もきれいで可愛らしいのに中身はサスペンス。

当時はコミックスが2巻まで出ていたのですが、読後すぐに原作小説を探しました。誰が令嬢を殺したのか、気になって気になって。

 

原作小説1巻は近所の書店ですぐに見つかりましたが、小説2巻が全然ない。ネットもリアル書店も探したけれど、ない。結局「再入荷のお知らせ」を押して通知を設定して、数か月待ってゲット。(同じことを小説3巻でも繰り返しました)

 

そうして苦労して手に入れた原作「エリスの聖杯」は時間をかけて待った甲斐のある面白さでした。結末まで読みましたが、読後感も良いです。

ラノベにありがちなことばの誤用などもなく、安心して読める作品です。

 

魅力 

貴族社会の設定がきっちりしていて、権謀術数うずまく世界に安心して入り込めます。

人間も。気持ちのいい人もいればとんでもねぇ輩もいる。体格としても針みたいに細い人もいれば樽みたいに太い人もいて…

世界が広いというか、世界が深い作品です。

まんが版は、細かいところまで小説版を再現していて見事としかいいようがありません。令嬢はいろいろスゴいし、主人公はかわいらしいし。頭の中にあった以上の映像が目の前にあるので感動します。

具体的に挙げていきます。

 

登場人物が多く、人物の相関がすごい。

主人公は下級貴族ですが、知り合いや関係者などの多くの人間がこの物語に関わっています。正直最初は驚きました。あそこの家の誰かと誰かが…という具合で立体的な相関関係があり、まるで知り合いから「知り合いの知り合い」の人間関係を聞いている錯覚すらする細かな設定。

闇が深い。

ただ誰かが死んでしまうということだけではない。殺害されてしまった人(未遂含む)には殺す側に「生きていられては困る」という事情で実行されていてものすごい闇がありました。

突っ走る系女子。

一見おっとり?ポンコツ?の主人公で基本的に巻き込まれ体質ですが、自分が思ったことにはまっすぐに進む気持ちよさがあります。(親友の性格がオトコマエすぎてカッコイイ。ぽっちゃり女子という外見なのにマジカッコいい)

陰謀うずまく…

「誰が令嬢を殺したのか」に近づくことで、主人公がこれまで経験したことのないような困難や危険にさらされてしまいます。

殺された当の令嬢も「はめられた」と言っている通り、盛大にはめられた末に命を失っています。

ところが、その事情はとても複雑で…。

 

 

 お気に入りのシーン(何度も読み返したゾ)

一番のお気に入りは小説3巻の真ん中あたり。ごつごつとした手とほっぺの辺りのシーンがものっすごいお気に入りです。キュン死するかと思いました。

 

次に好きな場面は主人公の親友に起きた事態と、その流れが思い出と共に親友目線で描かれている小説2巻の始めのあたり。本当にかっこいい。そして主人公の性格や人徳がよくわかる重大なシーンだと思います。

 

それと、欠かせない読み返しシーンは小説1巻真ん中、コミックス版3巻の終わりくらい。相棒としての関係が築かれる場面です。

 

 最新刊(コミックス版4巻)感想

たまたまですが、こうして感想を書き込んだ本日コミックス版4巻の発売日です。

早速読みました。

やっぱりスゴイですね。トラブルに巻き込まれまくる主人公。

「狩り」って表現されてる「査問会」、めっさ怖いーーー!!

事件の真相はここでは全然わからないわけですが、その残りかす(?)はあって、結末まで知っていて初めてわかるという仕掛けがあります。ほんとうにすごい。

巻頭の無精ひげイケメンもたいへん素敵でしたが、儚い系王子や何か事情を知ってる系国王など、やんごとないみなさんのお姿も美しかったです。

巻末にはおまけSSがあり、死神閣下のショタ時代めっちゃかわいいやんけ!とほのぼのしまくりでした。

お気づきかと思いますが、わたしは主人公の親友のぽちゃ嬢がイチオシであります。

今回の4巻は彼女が主人公を颯爽と手助けに現れたところで終わりました。

次回の5巻では、わたしの好きな場面が入ってくるので楽しみで仕方ありません。

 

 

リンク

原作小説を入手するのは大変だと思いますが、わたしみたいに再入荷を待ってゲットするのもありかと思います。

 

 

 コミックス版はこちら。

 

 コミックス、最後まで出るのかな??

あのキャラとか、あのキャラもコミックスで是非見たい!!

続刊は2021年秋頃の模様。楽しみに待ちたいと思います。