ばにらんぶん

読んだまんがの感想を800字以内で書いています。

感想:「ひかえめに言っても、これは愛」1巻 

「恋わずらいのエリー」を読んで面白くて、作者買いした作品。

作品情報


著者: 藤もも
出版: 講談社
レーベル: デザート



感想

お気づきの方もおられると思いますが、わたしは少女だったころに少女漫画を読んだことはあまりありません。忙しかったこともありますが、正直に言ってさして面白く思えなかったんですよね。いわゆる恋愛もののまんがは「このまんが、いつ本編が始まるの?」と言い妹を絶句させたそうです(覚えてない)。

ちなみに、好きだったまんがは「エースをねらえ!」と「海の闇月の影」などの篠原千絵先生の作品かな。妹から「姉ちゃんの好み、部活と殺人描写のある作品を除いたら何が残るんだ?」と言われ、そういえば何も残らんな、となっています。

そんな少女漫画方向音痴なわたしが、殺人も部活も異世界転生もなしなのにキュンした作品です。これを読んで「少女漫画には読み手との相性があるのか!」と思いました。

 

主人公は自分の力で自分の足でしっかり立つことを良しとしている人物。そしてカタい。ともすると冷たいともとられがち。

そんな彼女がたまたま助けた男の子に「恩返し」として関わられて、初めは迷惑だと思っていたのにそれでも近くに来るヒーローと関わるうち多角的な視野があることを知り、だんだん人としての彼のあり方をきちんと見られるようになってきます。

ヒーローは観察力や共感力に優れているのか、彼女がひそかに憧れている人がいることにも気づき、その静かな失恋にも気づき、甘えることが難しい彼女を少しずつ溶かしていきます。

 

一方的に守られることを良しとしないことを「かっこいい」としているけれど、助けて助けられて、お互いになくてはならない存在になりたがっている姿は惚れたの腫れたのという次元を飛び越えていてなんだろう…そっか、ひかえめに言っても愛なんだ、って思いました。

 

 

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