あれ?この作品感想書いたことなかったっけ(自ブログ検索しまくった)
1巻分だけで感想が埋まってしまったので2巻以降はいずれ。
作品情報
原作: 豆田麦
漫画: 石野人衣
出版: 双葉社
レーベル: モンスターコミックスf
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感想
とても静かな雰囲気の作品。
というのも、恐らく主人公?である元魔王・伯爵令嬢アビゲイルに感情の起伏がほとんどないからかと思う。悠然としているのは圧倒的な力を宿しているからだろうが、あまりにも人間社会とのあり方とかけ離れている。これまでの人生でよくその人間の娘の姿で街を壊さずに生きてきたな(偉いね)。彼女と人間社会を繋ぎ、通訳のような役目になっているのが「君を愛することはない」と言い放った夫=ジェラルド・ノエル・ドリューウェット子爵(侯爵家次男)。アビゲイルを現実逃避から前世は魔王と自称する「可哀想な女の子」と思い込んでいたけれど、一緒に暮らす中で(ごはんの見返りとして)領地に迫る災害などの対策の助言等で何度も救われ、やがて彼女の前世について「そういうこともあるかもしれない」とノエルに染み込んでいく…。
そういう流れが「静かな作品」という印象になるのかもしれない。
パッと見、天然で表情もなく、嫌がらせにも心が動くことはない…アビゲイルだけれど、それは誰かがその感情を悲しいものだと教えることがなかったせいなのかもしれないと思った。
災害対策の助言で、ノエルや家令たちが感謝をアビゲイルに伝えることでアビゲイルの中で確かに「嬉しい」という感情が育っているわけで…。魔王だから、弱い人間にひどいことをしてはいけないと漠然と思うところから、誰かを大切に思う気持ちを育んでいける環境になったことにじんわりと胸が温かくなる。
1巻ラストではそんなアビゲイルが血相を変えて…というところで終了。
続きの感想もまた書きます。