ばにらんぶん

読んだまんがの感想を800字以内で書いています。

感想:「はなものがたり」1巻

2巻が出たみたいですが、今回は1巻の感想を。

 

 

作品情報


著者: schwinn
出版: KADOKAWA
レーベル: MFコミックス



感想

主人公はおばあちゃん。孫もいます。恐らく65歳くらい。
十数歳年上の夫を亡くして一人暮らしに。たまたま目についた化粧品店のスタッフ(こちらもおばあちゃん世代)に目を引かれた…いや、ひとめぼれ(?)したところから主人公の運命が変わり始めます。
昭和どっぷりの価値観で自分のことを後回し、常に夫や家族を優先してきた主人公。恐らくずっと心が縛られてきたのだと思う。長年一緒にいたせいか時々「こんなとき夫ならこう言うだろうな」という亡霊を見つつも、化粧品やオシャレによる心のときめきによって少しずつ解放されていく様子は「自分を取り戻す」という言葉がしっくりくるのかもしれない。

 

「もしかして…?いやまさかね」という心の動きだったり、「こんなことを言っては失礼かしら」みたいに相手の気持ちを予想してあれこれ考えるところの描写がすごくリアルで、おっとりとした雰囲気を纏っているのにもかかわらず鮮烈に響いてくる。

 

化粧品店の綺麗な人=芳子さんの、主人公との出会いの時にふと見せた暗黒面wがめちゃくちゃいい。仕事柄そういう抑圧に遭ってきた同世代を何人も見てきただろうし、もっと悲しいことに至った人たちもいたのかもしれない。

 

途中で出てきた熟女バンド(?)のドラマーのおばちゃんがキャラも生き方もつよつよで、コスメカウンターでBAに無難な色を勧めてくるのが我慢ならず芳子さんの店で自分を演出できるメイク品を購入していく姿にはめっちゃ共感。40歳過ぎてコスプレ再開したわたしも、人から見たらこうなのかも?あるいは同人活動も同様かもしれないね。したいからする。描きたいから描く。家族から笑顔が増えたと言われたし、みんなハッピーだからヨシ!

 

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